通関士は人と関わらず黙々と仕事をする、あまり人と関わらなくてもできる仕事、というイメージがある人もいるのではないでしょうか。私もそのようなイメージをもっていましたが、実際に通関士として働いてみるとそんなことはなかった。。。
通関士の仕事上、関わる人は限られるかもしれませんが、意外と多くの人と接する機会が多いです。実際どのような人と関わって仕事をしていたのか?そこからどのような人に向いているのか?ご紹介しますね。
通関士は人と関わらない仕事か?
通関士は書類の審査、申告がメインだから人との関りが少ないのでは?と私も思っていました。ですが、就職後実際に仕事を始めてみると、そんなことはないな~、通関士は意外とコミュニケーション能力が必要かも?という印象に変わりました。
会社によっては、人と関わらず書類審査だけをするところもあるのかもしれません。でも、私がいた会社は、書類片手に黙々と申告書を作るだけではなかったです。おかげでたくさんの経験ができましたが、思いのほか人と関わる仕事だと思いました。
通関士がかかわる社内の人
通関士といえど、日々社内の人とは関わります。仕事を教えてくれる先輩や通関士さんはもちろん、顧客担当者の人、請求書を作ってくれる営業事務の人、税金建て替えや請求書の入出金関係など、経理担当者とも日々やり取りがあります。
また、倉庫現場のおじちゃんに作業をお願いしたり、現場からの問い合わせがあったりします。港湾関係の現場はおじちゃんが多いところで、優しい人もいましたがぶっきらぼうな人もいます。現場の人の機嫌を損ねないよう、うまくコミュニケーションをとることも必要だな。。。と思いました。
通関士がかかわる社外の人
社内だけでなく、税関職員や検疫所職員とのやり取りが発生します。税関職員さんは公務員なので、大体2~3年周期ぐらいで人が代わります。税関職員とちょっと顔見知りになっても、どこかに異動になって、また新たに赴任した職員とコミュニケーションを取らないといけない…というのも特徴的かもしれません。
貨物の内容や申告書のことで問題が起きた場合、税関職員さんと日ごろから顔を合わせ、信頼関係ができていると相談がしやすく、トラブルも乗り越えやすいです。
また、他社の通関士や船舶代理店の人ともやり取りが発生します。通関士部会なるものがあり、勉強会があったり、当時は忘年会があったり(汗)通関士部会は管理職の人が出てくる会社が多く、若い女性はほとんどいなかったので居場所がなくて気まずかったです。こういう場面では営業力がある方がスムーズなんじゃないかと思います。
貨物に関係することで、お客さんや船舶代理店の人に問い合わせする場面も多くありました。インボイスを見ただけで品目が分かるものばかりではありません。より詳しい情報が必要な場合、私は直接お客さんに聞くようにしていました。営業担当を通してもいいかもしれませんが、営業担当者も理解してないことを聞くようになるのでスムーズにはいかないです。
通関手続き上急ぎの時は、船舶代理店へ直接問い合わせしたり、通関が切れたことを伝えて急いでもらったり。コンテナの手配関係で、コンテナターミナルの人やトラック手配や運転手さんまで、いろんな人とも関わりました。
通関士は輸出入手続きには欠かせないため、税関と現場、営業とお客さんの間に挟まれるような印象を持っていました。仕事柄関わる人が限られる一面もありますが、板挟みになることもあります。
なので、通関士は人と関わらない仕事か?に対する私の答えはNO!です。
人と関わらない仕事をしたいために通関士を選ばないほうがいい
会社によって通関士がどこまでの仕事をするか?が違うので一概には言えませんが、人と関わりなくして仕事はできません。「通関士は人と関わらなくて済む仕事だ!」と思いこんで、通関士への転職を目指すとイメージとのギャップに戸惑うのではないでしょうか。
確かに地味にコツコツ作業するだけの日もたくさんあると思いますが、いつもそうとは限りません。インボイスの内容がおかしくて書類がそろわない、台風の影響で荷物が遅れる、急ぐのに税関検査になった、税関と税番について意見が割れて保留になった、など乙仲業界にトラブルはつきもの。トラブルがあった時に対応できるのは、“人“です。
「人と関わらない仕事をしたいからという理由で通関士を選ばないほうがいい」と思います。内向的でコミュニケーションが苦手だとしても通関士はできます。真面目にコツコツできる人であれば向いていると思うし、評価されると思います。ただ、通関士だからといって人と関わらないわけではない、という点は心得ておきましょう。
通関士に向いている人と向いていない人って?↓

実際に通関士として働いて思う個人的な意見ですが、参考になれば幸いです。
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